補助金と助成金は、どちらも「返さなくていいお金」という点では同じです。ただしもらえる確率がまったく違います。助成金は要件を満たせば基本的に受給できるのに対し、補助金は申請しても審査で落ちることがあります。この記事では、両者の違いと、どちらにも共通する「後払い」という重要な注意点を整理します。
1. いちばん大きな違いは「必ずもらえるか」
| 補助金 | 助成金 | |
|---|---|---|
| 受給のしやすさ | 審査があり、不採択になることがある | 要件を満たせば受給できることが多い |
| 主な所管 | 経済産業省・中小企業庁・自治体など | 厚生労働省(雇用関係)が中心 |
| 予算 | 件数や予算枠が決まっていることが多い | 要件を満たす限り受け付ける制度が多い |
| 公募期間 | 期間が短く区切られることが多い | 通年で受け付ける制度もある |
| 目的の傾向 | 設備投資・販路開拓・IT導入など事業の取組 | 雇用の維持・人材育成・労働環境の改善など |
| 返済 | 不要 | 不要 |
補助金は「予算の枠を取り合う」性格が強く、申請すれば通るものではありません。一方で助成金は、条件を満たしていることを書類で示せれば受給できるものが多く、性質としては近いようで動き方が変わります。
2. どちらも「後払い」が原則
見落とされやすいのがこの点です。補助金も助成金も、申請が通った時点でお金が振り込まれるわけではありません。多くの制度は次の順序で進みます。
- 申請 → 審査 → 採択・交付決定
- 交付決定を受けてから、事業を実施する(=自分で先に支払う)
- 事業完了後に実績報告を提出する
- 報告内容が確定してから補助金が入金される
つまりいったんは自己資金で立て替える必要があります。「補助金が出るから買える」ではなく「支払える金額の一部が後から戻ってくる」と捉えるほうが実態に近く、資金繰りの計画もそこを前提に立てる必要があります。詳しい順序は補助金申請の流れで解説しています。
3. 補助率と上限額の関係
補助金は「かかった費用の全額」が出るわけではなく、補助率と上限額の両方で決まります。どちらか小さいほうが実際の金額になります。
| 条件 | 計算 | 受け取れる額 |
|---|---|---|
| 補助率1/2・上限100万円で、200万円使った | 200万円 × 1/2 = 100万円(上限内) | 100万円 |
| 補助率1/2・上限100万円で、300万円使った | 300万円 × 1/2 = 150万円(上限超え) | 100万円 |
| 補助率2/3・上限50万円で、60万円使った | 60万円 × 2/3 = 40万円(上限内) | 40万円 |
さらに、支出したものが何でも対象になるわけではなく、制度ごとに対象経費が決められています。対象外の経費は補助率の計算からも外れるため、見積もりの段階で対象になるかを確認しておくことが大切です。
4. 「給付金」との違い
給付金は、一定の条件に当てはまる人・事業者へ一律に支給される性格のものを指すことが多く、災害や急激な環境変化への対応として設けられることがあります。補助金のように事業計画を審査するわけではなく、助成金より対象が広いこともあります。用語の使われ方は制度によって幅があるため、名称よりも「審査があるか」「何に使えるか」「いつ入金されるか」を見るのが確実です。
5. どちらを探すべきか
- 設備を入れたい・販路を広げたい・ITツールを導入したい → 補助金を探す
- 人を雇いたい・研修をしたい・働き方を整えたい → 雇用関係の助成金を探す
- どちらも併用できる場合があるが、同じ経費に二重で受け取ることはできないのが原則
補助金のほうを探す場合は、補助金の検索ページからキーワードや地域で絞り込めます。分野から見たい場合はIT導入・DX、設備投資、販路開拓、事業承継・M&Aのカテゴリからも探せます。
まとめ
補助金と助成金はどちらも返済不要ですが、補助金は審査があり不採択がある点、助成金は要件を満たせば受給できることが多い点が最大の違いです。共通する注意点は後払いであることと対象経費が決まっていることで、資金繰りはこの前提で考える必要があります。個人事業主でも使える制度は多いので、個人事業主・フリーランスが使える補助金もあわせてご覧ください。